我が家では、長女が一歳半になった頃からいわゆる『迷子紐リュック』を使っている。
リード付きリュックとかハーネスとも呼ばれている。
世の中で批判的な声が少なくないアレだ。
「犬の散歩みたい」
「奴隷みたい」
などと批判的な感想を持つ人もいるが、個人的には、「小さい子がいるなら使わない手は絶対にない!」と断言できるほど買ってよかった育児グッズの一つだ。
実際に一年以上使っている身として
- メリット
- デメリット
- 商品の選び方
このへんをまとめる。
メリット
とにかく安全を用意してあげられる
安全第一、これだけでもう買う価値は充分でしょう。見た目が悪い?そんなの気にしてられるか!自分よりも大事な子供の命、それよりも大事なものがこの世にあるかってんだ。批判してるやつは糞食らえ!
だいたい迷子紐という名前だけど、私としては迷子防止よりも、飛び出しによる交通事故を防ぎたい方が大きい。批判する人の「怖い思いをすることで子供が危険を学ぶ」なんて甘っちょろいことは言ってられない。交通事故での怖い思いとは一発アウトで即ゲームオーバーの可能性があるんだから。
また、迷子という単語がどうもほのぼのしたイメージだけど、迷子になった時に運悪く変質者が近くにいて連れ去ってしまったら・・・という危険性ももちろんある。
迷子紐は命綱!この考え方はとっても重要。
桁違いの安心感で子供にも優しくできる
うちの子は幸い基本的には手を繋いでくれるし、いきなり走り出したりすることも滅多にない。でも「じゃあ迷子紐いらないじゃん」とはならない。今まで危険じゃなかったから今後も大丈夫という保証などない。子供の手は小さくてすべすべ、意外にパワーも知能もあるので簡単に親の手から逃れられてしまう。
ガードレールのない歩道、お店の駐車場、交差点の信号待ちなど特に危険な場所では『いま手を離されたらヤバい!』とハラハラしつつガッチリ手首を掴むのだが、その際の心労と言ったらない。特に危険じゃないような場所でも手を離したら何が起こるかわからないので、やっぱり手には力が入る。つまり散歩中は常に、ずっと、途切れることなく、親は緊張感あふれるデッド・オア・アライブ状態なのだ。
そういう心持ちでいると子供へもピリピリ、イライラとした対応をしてしまい、色々子供のためなんだけど、結果的に子供のために良くない状況という矛盾も生じる。
それが迷子紐を装着するようになってからはずいぶん軽減された。もちろん迷子紐があるからといっても手は絶対に繋ぐしハラハラもするけど、手を離されても命綱があると思えば安心感が桁違いなのだ。
子供と手を離して歩ける
あれ、手を離しちゃうの?とお思いかもしれない。でも子供も親の手を離れて自由に走りたい時もある。そういう時に迷子紐装着状態なら、絶対に車も自転車もこないという安全な状況を確認した上で子供の手を離してあげている。
迷子紐がなければ、車がきたときや危険な方向に走っていったとき、すぐに子供を捕まえたり制止できたりとは限らないので手を離すことなどできない。
迷子紐は子供を縛り付けるのではなく、自由な心を育むのにも役立っている。
子育て仲間から好評
私の周りにも内心で批判的に思う人もいるのかもしれない。でも少なくとも、児童館の先生には「それいいわよね!」、同じ年頃の子を持つ親友達は「どこで買ったの?うちも欲しい!」、道ゆくおばあちゃんから「私の時も欲しかったわ」と好意的に言ってもらえており、実感としては肯定的な声のほうが多い。
もし可愛いデザインのリュックではなく、ガチガチのロープで子供を縛っていたら話は違うかもしれないけど。
デメリット
紐があることで危険な場面がある
迷子紐も良いことばかりではない。かえって危険をまねく場面もある。
一つは、紐を伸ばしているところに自転車がつっこんできたら・・・というもの。
もう一つ、特に怖いのはエレベーター。紐が繋がった状態で子供だけがエレベーター内に取り残されてしまったら・・・。
迷子紐を使う方は、周囲の状況や子供に気を払い、事故に充分注意していただきたい。
親に油断が生じる
紐によって心の余裕ができるのはいいことなんだけど、過信したり、油断するのは禁物。
これは妻の話。買い物中、数十センチ離れたところにあった商品が子供と一緒に取りに行くのがやや面倒な場所にあったので、長女に「ちょっと待っててね」と言って次女が乗っているベビーカーに迷子紐をひっかけ妻一人でとりにいったところ、長女が付いて来てしまいベビーカーが転倒してしまったそうだ。幸い子供たちに怪我はなかったものの、『ちょっとだけ』という油断と迷子紐の誤った使用方法が事故を招いてしまった。もちろん妻自身は猛省している。
あくまで迷子紐は補助であって、手を繋ぐことが大前提。
否定的な人間の声が鬱陶しい
概ね好評いただいている迷子紐リュックだが、私自身も一人だけ否定的?な人に会った。散歩中、見知らぬおじいさんが「可愛いね〜」と子供に近寄って来たのだが、迷子紐をみて「わんちゃんみたい」と鼻で笑った。迷子紐の安全性を説明してみたが、あまり良い反応とは言えなかったので、私のほうから早々に立ち去った。
こんなことはおそらく序の口で、中には「みっともない!」と怒鳴ってくる人もいるらしい。
過去にはテレビでも「奴隷制度」と表現した司会者をはじめ、「親の手抜き」「怖い思いで教訓を得るのに」「手を繋げば良い」「許せない」などと批判するタレント達が放送された。
なぜか日本では母親が楽をしようとすると叩かれる風潮がある(迷子紐に関しては便利とか楽とかの次元の話じゃないけど)。
いま批判をしているのは昔ならベビーカーやら掃除機やら洗濯機にもケチをつけていた類の人だろうし、いずれ迷子紐が主流になったら孫や子供に迷子紐をニッコリ笑ってプレゼントするのだろうと思う。
批判的な声を恐れて購入を迷っている方、そんな声に耳を貸さず、子供の命を守ることを第一に考えて欲しい。高価ではないがタダでもない迷子紐。子供のためにそこにお金を払った親が「素晴らしい」と褒められることがあっても、批判されるいわれはない。
失敗しない迷子紐の選び方
迷子紐的な商品は数あれど、どれにするか我が家でもいろいろ悩んだ。商品タイプの紹介と結局は何がおすすめかまとめてみた。
紐を親の腰に繋ぐタイプ
親が紐を手で持たないから犬っぽくない、というデザイン。でも車が突っ込んで来たときとかにとっさに子供を離すということができないのが難点。
紐じゃないタイプ
リュックについている持ち手をつかむなら犬っぽくならないでしょ、というもの。でもそれだと手は繋げないので、「手を繋がないなんて」とやっぱり批判されそう。急に走り出されたときに持ち手を掴めない可能性も。
→例:わんわんベビー ちょっとまって!
親子の手首同士を繋ぐタイプ
ほら、これなら全然犬っぽくないよ!と思いきや、今度は「手錠みたい」との批判が・・・。そして車道側を親が歩きたい時など子供の位置を左右入れ替える場面は多く、このタイプはちょっと面倒。子供をとっさに離せないのも難点。
おすすめは紐付きリュックタイプ
もう見た目なんてどうでもいい。どうとでも言え。やはり紐を手で持つタイプが一番いいと思う。
そしてハーネスだけのものより、リュック付属タイプがおすすめ。紐をリュックの中に収納できるので、迷子紐を使う・使わないの切り替えが楽なのだ。紐さえしまっていればただのリュックにしかみえないし、子供も自分のお気に入りを詰めては喜んで背負ってくれる。
まとめ
迷子紐が否定されるのは、見慣れなさからくる嫌悪感が一番だと思う。それも欧米では当たり前の育児グッズで数百年前から存在しているし(通称leashリーシュ)、ジョン・レノンが子供に使っている写真だってある。こういう事実が知れ渡れば欧米大好きな日本でもいずれ主流になってくるだろう。それまでは批判したい人には好きにいわせておけば良い。いま親として考えるべきは、何よりも子供が健やかに育ってくれること。購入を迷っているくらいなら思い切って買ってしまおう。
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